何事も楽しむ。同じやるなら、前向きな方が効率も上がる!
福良 奈津子さん面談可日向市出身。大阪大学・大学院時代は遺伝子工学を専門に研究。2012年、化学職として宮崎県入庁。県工業技術センター、危機管理局を経て、2018年より食品開発センター応用微生物部に配属。
学生時代から数学や理科が好きでした。子どもの頃、アトピー体質があって、それがどんな理由で起きるのか知りたいと思っていました。最初は医師や薬剤師に興味がありましたが、治療よりも薬そのものをつくることに興味が移り、工学部に進学しました。
大学の修士課程を終え、博士課程をめざしていましたが、当時、口蹄疫や鳥インフルエンザなど、宮崎の大変な様子がメディアで報道され、さまざまなタイミングもあり、化学職という専門職で県庁を受けることにしました。無事採用されたのはご縁だったのかなと思います。自分がやっていることが、何か地元の役に立てばいいなという気持ちがありました。
発酵食品・飲料メーカーの皆さんの技術的な課題解決のお手伝いが主な仕事です。発酵分野の研究や、技術相談、受託分析の対応などを行っています。乳酸発酵飲料、焼酎、味噌・醤油など、微生物が関わってできる食品を製造する企業を支援しています。
焼酎製造に関する仕事も多いのですが、お酒が好きなので楽しく取り組んでいます。
宮崎県内の製造業はほとんどが中小企業です。自社で研究室を持っているところは少ないため、食品開発センターがそれぞれの企業の研究室の役割を担っているイメージです。
例えば 、「自社の既存製品を乳酸発酵させて特長ある飲料をつくりたい」という相談があれば、共同研究を行い、香味や機能性成分に特徴のある乳酸菌を選抜したり発酵条件を検討したりして、新商品開発のお手伝いをしています。
美郷町の幻の酒『いすゞ美人』復活プロジェクトにも参加しています。50年以上前に酒造りをやめた酒蔵から酵母を採取して、当時の米も復活させてというプロジェクトです。難しいチャレンジですが、復活した『いすゞ美人』を飲めたらいいなと思います。
企業や自治体との共同プロジェクトで、自分が開発に携わった商品が販売されるのを見ると、特に達成感があります。
微生物は生き物なので、育てる時間が必要です。途中で培養をストップすることは難しいので、スケジュール管理は特に重要。作業が週末・祝日等にかからないように、実験工程を逆算してサンプルの到着日を指定するなど、工夫しています。なかなか完璧にはいきませんが。
昔からスケジュール管理は得意でした。がんばりすぎない、根を詰めすぎない、楽しくやること。楽しくやれば効率もいいと思ってやっています。
県では、時差出勤が可能で、30分刻みで出勤時間を決めることができる制度があります。この制度には、とても助けられています。車が混んでいる時間に移動するのは大変なので、少し時間をずらして出勤しています。制度を活用したり、研究のスケジュールを自由に組んだりできるので、プライベートの時間も確保できています。
プライベートの息抜きは、インドア派なので、ドラマをよく見ています。タイや韓国のドラマがおもしろくて、語学を勉強しようかなとも思っています。
まずは、何事もやってみて慣れることだと思います。周りの人の力をうまく借りながら、無理をしすぎないような仕事の進め方を見つけていってください。
●宮崎県食品開発センター
宮崎市佐土原町東上那珂16500-2(宮崎テクノリサーチパーク内)
℡0985-74-2060
この方と直接会って、経験談やアドバイスを聞くことができます。