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出会う人を勇気づけグッドサイクルな企業文化をつくる

兒玉 りょう子さん面談可
キャリア-エンカレッジ 代表 キャリアコンサルタント

宮崎県宮崎市出身。大学卒業後、地元の社会福祉事業団へ就職。施設の中で障がいのある子ども達や入所者と触れ合いながら、自閉症の専門療育を中心とした支援に8年間携わる。
在職中に結婚、出産。子育てと仕事の両立が難しくなり、退職。
障がいのある方の就職相談やセミナー講師として勤務する傍ら、アドラー心理学をベースにしたコーチングを学ぶ。2014年より公共機関の中で学生を中心とした就職支援に携わり、これまでに延べ1600名以上のキャリア相談の実績を積む。
2018年5月に「キャリア-エンカレッジ」を開業。

起業をしたきっかけを教えてください。

大学で、地域福祉を専門に学びました。また、児童養護施設の家庭教師として、1年間、中学3年生に勉強を教えましたが、子どもたちと過ごすのがとても楽しかったんです。そして、児童養護施設の支援員になりたいと思い、宮崎県社会福祉事業団に就職しました。重度の知的障がいを持っている方の施設に勤務し、24時間体制で入所者の方の生活支援をしました。当直や不規則な勤務での仕事と子育ての両立は大変で、家族の促しもあって転職し、障がいがある方の就労支援を担当することになりました。

私自身、働くことが好きです。どんなに重度の障がいがある方も、皆さん「働きたい。役に立ちたい」と言われます。そこが人としての原点であり、人生にとって働くこと、社会に出て何かしら役に立って貢献できることが人生を豊かにする。そのサポートができるのは楽しいですし、働きながら変わっていく姿を見ることが私の生きがいだと感じました。
これまで宮崎の公共機関等で約1600名のキャリア相談に対応し、その一方で企業の人事担当者や経営者の相談を受けながら年間約200件の求人作成に携わってきました。

第三者として「労働者」と「企業の人事労務担当者」の両者に関わりながら、企業内のヨコの関係でのコミュニケーションの重要性や、隠れたハラスメントで苦しんでいる労働者が声を上げにくい現状を痛感しました。高校2年生の娘は宮崎で生まれ育ち、宮崎での就職を希望しています。彼女たち若い世代のためにも「ハラスメント」を生まない企業文化をつくりたい。働く人がイキイキと互いを尊重しながら働ける組織づくりに生涯をかけて取り組んでいこうと思い、起業しました。

  • 1998年 社会福祉法人 宮崎県社会福祉事業団入社
  • 2014年 独立行政法人 高齢・障がい・求職者支援機構入社
  • 2018年5月 「キャリア-エンカレッジ」を開業。研修、セミナー講師や個人のキャリア相談などを行っている。
  • 【資格等】株式会社チームフロー認定コーチ
  •      2級キャリア・コンサルティング技能士
  •      国家資格キャリアコンサルタント

お仕事の内容を教えてください。

フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業や公共機関・官公庁での社員研修や個別のキャリア相談などを行っています。「ハラスメントを生まない」グッドサイクルな組織づくりのために、「コミュニケーション」や「ハラスメント防止の具体的な措置」に力を入れて事業を行っています。

社員研修を続けている、ある事業所からは、「回を重ねるたびに、組織の雰囲気が変わりました」という声をお聞きします。研修では、イライラした気持ちをどう処理するかというアンガーマネジメントや、パワハラについても学びます。アンガーマネジメントは特に、反響が大きかったです。イライラしたときに6秒待つ。この時間にはきちんと理由があって、脳の中でどういう作用が起こっているのかに基づいています。職場の中で「6秒ルールよ」と声を掛け合ってくれているそうです。「上司の叱り方も変わりました」という声を聞くと、嬉しくなりますね。

また、高校生に対するキャリア講習を行う際は「企業で、仕事の楽しい部分、厳しい部分を両方聞いてきてください」と伝えています。

今後、取り組んでいきたいことはありますか?

今後は、宮崎の企業の中に、もっと入っていきたいと考えています。ハラスメント対策、それを生まない組織づくりをサポートしていきたいです。大切なのは「コミュニケーション」です。お互いをどう尊重し合うか。関係性を変えるのは言葉と行動です。それを一人ひとりが学び、変わっていくことで、組織、そして社会全体が大きく変わっていくと思います。

上司に大切なのは、「聴く力」と「ちょっとした言葉」です。それを意識していくと、組織は変わります。働きやすい職場になります。そのような企業が増えていけば、若い人が地元に残る、宮崎の活性化につながるという循環ができていくと思います。
これから更に自分自身がもっと学んで、宮崎へ貢献できるといいなと思っています。

仕事と家庭との両立は、どうされましたか?

妊娠、出産後も仕事を続けてきました。私の場合は切迫流産や悪阻での入院、切迫早産など、トラブルが絶えませんでした。出産後の子育ては育児書を片手に悩みと迷いの連続。子どもが1歳のときに職場復帰しましたが、当直、早遅番の交代制勤務との両立で心身ともにヘトヘトでした。

そんな中でも、なんとか両立することができたのは、まず、夫が掃除や洗濯に主体的だったこと、両親と妹が近所に住んでいて、助けてもらうことができたからです。職場の同僚、先輩、上司にも恵まれて、仕事でも子育てのことでも、ちょっとしたことを相談でき、子どもの急病で休みを取るときにも協力してもらえました。

二つ目の職場で就労支援に携わり、キャリアコンサルタントやコーチングの勉強を始めました。非常勤の仕事は不安定で、自分に“強み”が必要だと感じていたからです。子どもが寝た後、夜にやっていましたね。動画学習をしながら洗い物や料理などの家事をしていました。
今振り返ると、子育てを通して、子どもやたくさんの方々から、自分自身を育てていただいたのだと感じています。

これから社会に参画される女性の皆さんへのメッセージ

初めてのこと、よく知らないことにチャレンジするのはとても勇気がいることだと思います。でも、まずはやってみること、まずは行動してみることが大事です。行動してみると失敗することやうまくいかないことがありますが、それが学びになり、自身の成長につながります。
これからの時代は「国や会社に頼らず、自分で、生涯収入を得られる力」を身に着けていく必要があります。ぜひ自分らしさを存分に活かして主体的にキャリアを築いていってください。
そして、常に、今あるもの、今、与えられていることに「感謝」する。私は、感謝の気持ちを忘れないことで、自分の言動が変わり、周りからも協力や信頼を得られていくものだと思っています。

キャリア-エンカレッジ

「勇気づけ」を柱に、一人ひとりの「自分らしさ」や「ありたい姿」を大切にしたキャリアに関する様々な研修、セミナー、個別セッションを行っています。
働く人達が、自分自身や周りの人を「勇気づけ」ながら、その人らしく、いきいきと毎日を過ごせたら、その会社が元気になり、その街も元気になっていく。
そんな素敵な循環を作り出せるように、宮崎の「働く人」を勇気づけて、宮崎の街を輝かせていく一助になっていきたいと願っています。

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