女性が、自分の人生を自分で選べる社会をつくりたい
県外の病院にて看護師として内科病棟に勤務。結婚・出産を経て、知人も親戚もいない環境での「孤独な子育て」を経験する。その際、孤立しない子育てサポートの必要性を痛感し助産師を志す。
離婚を機に地元へ戻り、助産師養成課程のある看護専門学校へ再進学。念願の助産師資格を取得し、宮崎県立延岡病院の産婦人科・小児科に勤務する。2018年6月、延岡市に助産院を開業。現在は産後ケアや乳房ケア、育児相談、ベビーマッサージ・離乳食教室、ママ同士の交流会、性教育などを通じ、幅広く子育て支援に取り組んでいる。
包括的性教育の普及を目指し、2022年3月に助産師7名で任意団体「日本いのち心アカデミー協会」を設立。2024年1月に法人化を果たす。7月第3土曜日を「性教育を考える日」として一般社団法人 日本記念日協会に登録し、乳幼児期からの包括的性教育の普及に尽力。全国の教育機関や行政での講演活動に加え、性教育の担い手を育成するオンライン講座も展開している。女性が自分らしく自立できるよう支援する「ライフバースコーチ」としても活躍中。
結婚・出産を機に一度看護師の職を離れ、専業主婦となりました。当時は頼れる親族も近くにおらず、一人で育児を担う「ワンオペ育児」の状態。看護師としての知識はあるはずなのに、授乳さえ上手くいかない現実にすっかり自信を失い戸惑う日々でした。そんな時、私の心に寄り添ってくれた助産師さんの存在が、「私もお母さんたちをサポートする助産師になりたい」という強い志を抱くきっかけとなりました。
当時はすぐに進学できる状況ではありませんでしたが、「それでも諦めたくない」という一心で、まずは自分でチラシを作りベビーマッサージの活動を開始。同じ悩みを持つ母親同士がつながれるコミュニティづくりから一歩を踏み出したのです。
その後、離婚という人生の転機を迎え、「自立して生きていく」という覚悟とともに、改めて自分の使命を問い直しました。そこで行き着いた答えは、やはり「子どもの幸せ」です。そして、子どもを笑顔にするためには、まず母親が元気でなければなりません。
「産後のお母さんに寄り添う助産師になる」という夢が、確信に変わった瞬間でした。幼い子どもを抱えて地元に戻り、両親の助けを借りながら市外の専門学校へ通い、念願の助産師資格を取得。県立延岡病院での勤務を経て、「一人ひとりのお母さんに徹底して寄り添いたい」という想いから、自身の助産院を開業いたしました。
助産院の活動を続ける中で、社会福祉法人からのお誘いを受け、地域の子育て支援の活動に参画することとなりました。そこで取り組んだのが、フィンランドの「ネウボラ(妊娠から子育てまで一貫して一人の担当者が寄り添う支援制度)」をモデルとした、ワンストップの相談体制づくりです。
5年間の契約期間中、ベビーマッサージや乳房ケア、イベント企画などを通じて多くのお母様方に伴走しました。この活動に大きなやりがいを感じる中で、「こうした切れ目のない支援体制こそが、私の理想とする形だ」と確信。契約満了を機に、この仕組みをさらに広く、持続可能なものとして展開していくため、自らの手で法人を設立する決意をし、今に至っています。

娘が思春期にさしかかる小学4年生の頃、性教育の話をしようと試みましたが、「お母さんからは聞きたくない」と避けられてしまいました。その時痛感したのは、「4、5年生からでは遅い。もっと早い段階から、自然に伝えておけばよかった」という後悔でした。
また、現場で目にした学校教育にも衝撃を受けました。インターネットで誰でも簡単に性の情報にアクセスできる時代であるにもかかわらず、学校で語られる内容は私たちの頃からほとんど変わっていなかったのです。この現状を前に、「今、動かなければならない」と強く突き動かされました。
娘には、自分が望むタイミングで妊娠・出産を選択できる人生を歩んでほしい。そして、その願いは我が子だけでなく、すべての子どもたちに対しても同じです。
私が提唱する性教育は、単なる知識の伝達ではありません。自分の心と体を大切にし、相手も尊重できる力を育む「人権教育」です。多様な価値観を認め合い、自分自身を大切にする心。それは、私が20年間携わってきたベビーマッサージや母乳育児支援を通して大切にしてきた「心を育てる」という理念と深く繋がっています。「0歳から始める包括的性教育」こそが、私に課せられた使命であると感じています。

女性が自分らしい人生や働き方を選択できるよう、相談・伴走支援に力を注いでいます。助産師として産後ケアを継続する傍ら、一般社団法人「日本いのち心アカデミー協会」の代表として、教育機関や行政、PTAを中心に包括的性教育の講演活動を行っています。
講演活動を通じて感じるのは、会場に来てくださる方の多くは、すでに教育意識が高いということです。一方で、本当に情報を届けるべき「支援が届きにくい層」へどうアプローチしていくかが、今後の大きな課題であると考えています。
特に若い世代への性教育は、一刻を争う喫緊の課題です。望まない妊娠だけでなく、命に関わる深刻なリスクを伴う性感染症も増えています。子どもたちを守るためには、保護者も正しい知識を持ち、適切なタイミングで伝えていかなければなりません。
この「いのちを守る知識」を全国へ広めるため、活動を共にする仲間の育成にも注力しています。誰もが正しい情報に触れられる社会を実現するため、オンライン講座を通じて性教育を伝える人材の育成に尽力しているところです。
現在、二人の子どもたちは自立の道を歩んでいます。長女は医大生として医師を目指し、長男は予備校で目標に向かって励む日々です。息子からはなかなか連絡がありませんが(笑)、それもまた成長の証と感じています。
特に娘とは友人のような関係で、私の相談に乗ってくれることもある、いわば「メンター」のような存在です。彼女には以前から、ピルや避妊、妊娠適齢期、そして出産のための体づくりについて、一人の女性として大切な話を伝えてきました。そのたびに娘は「教えてもらえて本当によかった」と笑顔を見せてくれます。
私の活動の原点は、やはり「子どもたちの幸せ」です。娘から「お母さんのおかげで、いろんなことにチャレンジしたいと思える」と言葉をもらったときは、胸が熱くなりました。私の挑戦し続ける姿を認め、応援してくれる子どもたちの存在が、何よりの原動力になっています。
あなたの人生は、誰のものでもない。迷ってもいい。最後は、自分で選んでいい。
あなたが自分らしく働く姿は、子どもたちに「未来は自分で切り拓ける」という希望を伝えます。
その輝きこそが、次の未来を育む光になるのだと確信しています。
この方と直接会って、経験談やアドバイスを聞くことができます。